死にかけていた獣のような男を救った王女、ベリア。 国を捨て逃げ出したベリアに手を差し伸べた男、アルカン。 彼の仕草は優しく、みすぼらしい人生を変えてやるというささやきは甘く感じた。 「一緒に行こう」 一歩踏み出せば彼の手をつかむことができるのに、手を握る前に誤解だけが増えていき… そして再会した彼は獣ではなく、カストル帝国の皇帝だった。